続き

前回のは高校生の頃の話で、今、もう少し深く考えてみた。
まず次のことを確かめたい。(実際にやればすぐに分かるがあえて抽象的に)
 (1) : 1/7の循環する部分は6つの数から成り立っている。
 (2) : x/7のとき循環する部分のx番目に小さい数から循環させたものが小数部分となる。
 (3) : 1/7の数字の循環する部分がばらばらの数字になること。
aを0から9までの整数として、a*10^n (mod7) (n=1,2,3,…)を考えてみる。(mod7は 7で割った余りという意味)
a*10^n (mod7)というのは何かというのを説明すると、a*10^n (mod7)を10倍したものを7で割った商がa/7の小数点第n位の数となる
(ちょうど割り算の筆算を思い浮かべると分かりやすいかもしれない)
ここでaを7で割った余りをbとする。
するとa*10^n=b*10^n=b*3^n (mod7) ( = ではなく ≡を使うこともあるがここでは = を使う)
ここでbは7と互いに素であり、3は7を法とする原始根であるからb*3^n はnが1から6まで渡るとき全て異なる。(下に補足あり)
すなわちnが1から6までの間にb*3^nは1から6までの数として全て現れる。
これで(3)の命題が示された。
実はこれが上の本質的役割を果たしている。
たとえばb*3^5 =4 (mod 7)であったとすると、ちょうど小数点第5位から4/7の小数点第1位と一致し、それ以下は同じとなる。
後は余りだけでなく商もばらばらの数字になることを言うだけだが、上でb*3^nは1から6までの数として全て現れるということは
商は10 から60までを7で割った余りになるわけだが、10は7より大きいので商が一致することは無い
これにより上のようにばらばらの数字が出て、かつx/7の時はx番目に小さい数から初めた小数点の循環になっている。

上の議論から、pを5より大きい素数とするとき、1/pの場合も似たようなことがいえる場合がある。
ただ問題なのはpが10より大きい場合、10進数表記だと1/pの循環する部分がばらばらの数字で表せない。
(循環部分に2桁の数字が出てくる)
そこでNをpの原始根でpより大きいものとするとき、N進表記で表すと上と同じようにすることができる。

考えながら書いたので間違っている可能性も結構あるので、正直自分でも読みにくい文章だと思うけど、
間違っている部分を見つけたら教えてください。


補足

私は数論自体あまり詳しくないので間違っていたらすみません。
色々な定義があると思うけどとりあえず原始根を定義しておく。

定義 (原始根)
pを素数、aをpを素因数に持たない整数とする。
以下mod pを略す。
集合{a,a^2,a^3,…,a^(p-1)}と集合{1,2,…,p-1}が一致するとき、aをpを法とする原始根と呼ぶ。

ちなみに必ずa^(p-1)=1となる。(フェルマー)

要するに、上の定義は1,a,a^2,…とa倍していってa^(p-1)で1に戻るまでに1からp-2まで全て現れる場合のことね。

命題
pを素数、bはpと互いに素(つまりpを素因数に持たない)、eをpを法とする原始根とすると
b*e^n (n=0,…,p-2) は全て異なる。

証明 
以下mod pを略す。
異なるnでb*e^n が一致するものがあったと仮定し、そのようなnをs,t (s > t、すなわち s - t > 0)とする。
すなわち、b*e^s=b*e^tとなる。
これによりb*e^t*(e^(s-t) -1) = 0
bやeはpと互いに素なので、e^(s-t)-1 = 0
すなわちe^(s-t)=1となるがeはpを法とする原始根なので1になるのはp-1の倍数に限られる。
しかしs-t < p-2なので s-t = 0 すなわち s = t となる。
これはs-t > 0に矛盾する。



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