ローのパーティから抜けた理由


PC版の設定を元に考えてみます。

ドラゴンスレイヤー英雄伝説でローは途中でパーティを抜ける。
サイレスによって自分の存在意義を失うためにパーティから抜けたというのは理由として弱いという意見も聞く。
これについて今回は私の意見を述べてみる。

まず、ロー自身がパーティから抜けた理由を語った部分を振り返ってみよう。(肝心の部分のみ抜粋)

あんたたち、サイレスの呪文が欲しかったんだろ。
考えてみてくれ。
サイレスの呪文ってのは呪文が使えなくなってしまうんだぜ。
そんなものを使われたら俺は戦いのさいちゅうに何をしていたらいいんだ!!
おれにはな 呪文しか・・・ないんだよ。
ファーレーンのことを思い出してくれ!!
あの司令官の前でおれは何も出来なかった・・・。
それにおれはモンスターにおそわれながら旅をしていくのがいやになったのさ。
ラルファの砦で合いかぎが出来るとわかった時、決心したんだ。
あんたたちを別れようと。

(以下略)

サイレスの存在がパーティから離脱の引き金になったのはその通りだと思うが、
最大の原因は、最後に軽く付け足している、
「モンスターにおそわれながら旅をしていくのがいやになった」だと私は思っている。

セリオスにとってアクダムは父の仇。
リュナンは元々アクダムに対抗するレジスタンスに加わっており、さらには性格的にもアクダムを許すことはできないだろう。
ソニアもリュナン同様レジスタンス一員で、さらにアクダムの放ったモンスターによって親戚のライアスが殺されている。
ゲイルもベルガ鉱山に収容されていたため、アクダムに恨みがある。
ところがローにはアクダムを追いかける理由は特にないのだ。

ロー自身はおそらくルディアの城でアクダムを倒して、そこでおしまい、というつもりであっただろう。
どの段階で旅に嫌気がさしたのかわからないが、(個人的には結構早い段階、司令官戦の前くらいからだと思っている)
ルディアでアクダムを倒せば終わりだし、一生遊んで暮らせるだけの褒美ももらえるかもしれないので
我慢して、セリオスたちと旅を続けていたのだろう。
ところがルディアでアクダムを逃してしまったため、
なんとアクダムを探して世界中を旅しなければならないはめになった。
これ以降、ローはうんざりしながらセリオスたちと旅を続けていたのではないだろうか。
おそらく精神的にも結構まいっていたようで、
無くなった金の件(おそらくローが夜遊びか何かに使ったのだろう)が問題になると、
普段から仲が悪かったゲイルに罪を擦り付けるという八つ当たりに近いことも行っている。
なくなった金の件だが、あれもローが遊びに使ったと私は思っている。
最初のうちは遊ぶことを我慢できていたが、アクダムを逃がし、いつまで遊べないのかわからない状況になったため
我慢できなくなり、夜遊びか何かに金を使い出したといったところだろう。

そして、アクダムを見つけたのはいいが、なんとそれを倒す手段として、
自分のもっとも嫌いな呪文であるサイレスを使おうなどと言い出した。
だがアクダムにまた逃げられるかもしれず、そこで倒せるという確証はなかった。
そして褒美も期待して旅をしていたと思われるが、ギルモアの涙という国宝級の宝石がすぐそばにあり、
それを売れば、遊んで暮らしていけると気づいた。
こうして、精神的にまいっていたローはパーティから抜け出そうと決心した。

サイレスの呪文の石碑を削ったのは八つ当たりに近いものがあると思う。
もともとあったサイレスに対する嫌悪感と、
そのサイレスの呪文が世の中に広まって欲しくないという気持ちと、
自分がパーティから抜け出す後ろめたさをサイレスにぶつけた形だろう。

パーティを抜ける際、「全てサイレスが悪い」と自己弁護をしたのかもしれない。
ローの弁解部分でサイレスが真っ先に出てきたのは、本心を言いにくかったということもあるが、
上のような気持ちが影響を与えたのではないだろうか。

そう考えるとなかなか生生しい設定だと思う。



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